第2話 誕生日会

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「兄様…これから僕は、どうすればよいのでしょうか?」 答えが出ないとわかっている質問をわざとぶつける。 少しの沈黙の後、レオンは静かに言い放った。 「貴様はダイアナとして生きる。だから…死んだダイアナとして、恥じぬ生き方をしろ。それが、ダイアナの名を残せるせめてもの救いだ。」 まともな答えが帰ってきたことにやや驚いた。 知るか。 程度で済まされるものだと思っていたからだ。 いくらジクスを恨んでいたとはいえ、さすがはエリート王子だと感心した。 それからはまた長い沈黙が馬車を包んだ。 聞こえるのは馬の蹄の音だけ。 静かな夜景を見ていたが、パーティの人混みに疲れたのか。 ふとした瞬間には目をつぶっていた。
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