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「マジか。なんで?」
「結局ボクの趣味の押し付けになっちゃうんじゃない?似合うと思って作っても、その子はそれを着たいとは思わないってこと。なのにさ、身体だけは求められちゃうんだよね。なんとなく萎えて、すぐ別れることになる」
「なんかさ、歯車の噛み合う相手っての?中々いないもんだよな。ジロー先生と燿子さんが羨ましい」
「まあねー。でもあの二人だって噛み合うまでに何年もかかってるわけだから」
「確かに」
コケティッシュ路線でいくにしても、コケティッシュの具体的なイメージが掴みきれていないので、そこを具体化していこうと、打ち合わせをお開きにして店を出ようとした俺たち。
「あの、ねぇ、君たち」
隣のテーブルの女性二人に声をかけられた。
「もし良かったら私たちと飲みに行かない?」
20代のOLぽい。二人は先輩と後輩のよう。声をかけたのは先輩。猫目の綺麗系。後輩は目を見開くように開けて上目遣いの可愛い系。〜系と分類しているだけで本当に綺麗か、可愛いかはまた別の話。
「甘いもの食べれるならいいよ〜」
長沢が答えたので、俺も続く。
「俺はビールがいい」
「オッケー!両方あるとこ行こ!」
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