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このところ、悪夢ばかり見ている気がする。その晩の夢も最悪だった。空中を平泳ぎのようにして飛ぼうとする俺がいるのだが、地面すれすれで、必死で地面に付かないように飛ぶが浮上できない。ものすごく疲れる夢だった。
次の日、大学に行ったが、まだまだ注目の的。クスクス笑われたり、実習室に野次馬がいたり。俺は仕方なく教授の部屋を片付け始めた。しかし、いつ終わるかしれないほどの汚さ。物も多い。整理して置いても場所をとるのは変わりない。教授は今日いないし、勝手に捨てれないので分別だけして帰った。
翌日、講義が休講になったので、俺は作業をせず、ギャラリーめぐりをして気分転換をすることにした。
ギャラリーは基本、無料なので周れる限り周る。しかし20も行くと、目も感覚も脳も疲れ果て、それ以上何を観てもなにも感じれなくなっていく。
それだけ、絵でも彫刻でも、その作品から受ける何かはすごいエネルギーを持っていて、好むと好まざると、何かしらの影響を受けているのだと思う。
そして、自分も手を動かして作らなければという気分にさせられる。それは焦りでもあり発奮でもある。
今日、ジロー先生から、何を言われるか……。クビ宣告?
どうなるのかわからないが、行くしかない。メールで、ジロー先生から、個人工房の方に来るように言われていた。
若干、緊張しつつ工房への坂道を登る。咲き遅れの山桜が見える。綺麗だと素直に思う俺の精神は、たぶん大丈夫だ。なんとなく……。
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