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「ただな、松永、よく聞け」 「は、はい」 「ベリーショートは首がすごく美しく見える。それはもちろん燿子だからだが。燿子は頭の形も美しい。後頭部から首のライン。首から鎖骨。それを全て舐めまわすにはベリーショートの方が都合がいい。あの白い美しい肌。悩ましい潤んだ眼が、っぷ」 「もう!ジロー、何を語っているのかと思ったら」 燿子さんが帰ってきた。ジロー先生の口を後ろから塞いでいる。 「燿子さん、おかえりなさい。お邪魔してます」 「松永くん、ありがとうね。ジローの相手してくれていたから、ゆっくり美容室とマッサージにも行けたわ」 「燿子、それではまるで僕がいつも邪魔しているみたいじゃないか」 「だって、1時間おきに電話してくるじゃない?」 「これでも我慢して1時間は待っている」 「ふふ、そうね。お待たせしました」 あ、ジロー先生嬉しそう。燿子さんに髪を撫でられている。二人が見つめ合って甘い空気ができている。なんか、俺って邪魔? 「ね、手羽と椎茸も焼きましょう?私お腹ぺこぺこ」 「あ、じゃあ、俺、取って来ます。冷蔵庫ですよね。あと、ビールも」 「ありがとう」 俺はキッチンに向かう。後ろを振り返らず。振り返ってはいけない。ぜってーキスしまくっているあの二人。いいなあ。唯一無二の相手?っていうの?番い?伴侶?そういう相手って理屈じゃないんだろうな。 舐めまわしたい首のラインか……。俺の脳裏には何故かモモちゃんが浮かんだ。
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