11人が本棚に入れています
本棚に追加
1.
イイ女ってどんな女だろう。
俺は理想の女をいつも探している。まだ出会ってないと言い切れるからだ。
少なくとも一方的にストーカーして、カッターナイフで切りつけてくる女は論外だし、他人に嫉妬して貶めようとする女は問題外。
俺、松永洋海は何故だかストーカーに会いやすい。ん?逢いやすい?あ、遭うか。ストーカーには出会いたくないよな。
「松永はいいよね。黙ってるとさ、女の子が勝手にいいように解釈してくれて、王子様に仕立て上げてくれる」
長沢歩は、自分の方がアイドルグループの王子様みたいな顔立ちをしているくせに、俺に何かと突っかかってくる。
なんでだろ、俺はアイドル系の顔でもないのに。色白で薄い顔だから不健康に見えると思う。あんまり喋んないせいか、俺の中身を勝手に妄想されてしまうというのは確かにある。優しいとか、ツンデレとか、ドSとか?器用だとか、頭良さそうとか……。
「長沢の方がモテるじゃん。あの女子高生はどうしたんだっけ?」
「とっくに別れてる。女子高生はサイクルが早いんだよね。忙しくてちょっと連絡しないと、すぐに次にいかれちゃう。結局、理想のドールにはたどり着けないし」
「理想ねー」
最初のコメントを投稿しよう!