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推しが卒業を発表したのは、まだ寒さのきつい1月のことだった。
当時、迫りくる大学入試のために昼に夜に勉学に励んでいた僕であったが、その日だけはどの教科にも手がつかなかった。
彼女と出会ったのは、高校1年の時だった。
当時、高校に入学したばかりの僕はクラスになじめず、教室の片隅で誰とも言葉を交わすことなく、孤独に過ごしていた。
そんな孤独の中で苦しむ僕を、彼女の優しいほほえみが救ってくれた。
それから3年間、飽き性の僕にしては信じられないほど、僕は彼女に夢中になり、その姿を追い続けた。
出会いがあれば別れがあるなんて当たり前のことは、十分にわかっているつもりだった。
それでも不思議なことに、現にこうしてその状況に直面するまで、いつまでもアイドルとしての彼女を応援し続けられるという錯覚にいつのまにか陥っていた。
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