私の好きな人

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私の好きな人

私には、好きな人がいる。 その人は、とてもかっこよくて憧れのあの人。 背がすらりと高くて、誰とでも仲良くできて、いつも屈託のない笑顔を浮かべている人。 バスケやバレーが得意で、努力家で勉強もできて、部活も毎日休まず頑張ってる人。 そんなになんでもできるのに謙虚で、愛想が良く褒め上手で、人を尊敬できる、嫉妬など知らなさそうな人。 ぱっと周りの人達を笑顔にできる魔法を持っている人。 そんなあの人が、大好きだ。 もちろん恋愛的な意味で。 特にドキッとさせられるところは、あの人に比べて身長が低くて声が小さい私の話を聞いてくれようと少しかがんで、「ん?」って言って、私の声の届くところまで顔を近づけてくれるところ。 いつも何かをするたびに「かわいい」って言ってくれるところ。 悲しいことがあったら慰めてくれるところ。 最近は下の名前にちゃんをつけて呼んでくれるから尚更嬉しい。 私は色々なことに自信がないし、何事もネガティブ思考だから、そうやって自信をつけさせてくれるあの人に本当に感謝しているし、好きになってよかったって思ってる。 この恋が叶わないなんて分かりきっていることだから、せめて、せめてずっとあの人のそばに居たい。 ぼーっとそんなことを思っていたら、バスケのコートで走っているあの人を見つけた。 私は首を少し傾けて、惚れ惚れと眺める。 あっ、シュートした。 あの人が背の高さを活かした華麗なシュートを決めた。やっぱりどうしようもなくかっこいい。 今あの人は試合が終わったようで、結んでいた髪をぱさっと下ろして、ゴムを口に咥えて肩より少し長いセミロングのサラサラな髪の毛を一つに束ねている。試合で動き回っていたから髪型が少し崩れたのだろう。その髪を結んでいる姿があまりに可愛くて綺麗で、ついつい見惚れてしまう。かっこよくて可愛い美人さんだなんて、どれだけ私を惚れさせるんだ。 叶わない恋だけど。認められにくい恋だけど。 ——それでもやっぱり、私はあの人が好き。
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