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初めて彼女に振舞った手料理は、合格点からはほど遠かったらしい。
作ってもらっておいて、なんだけれど―。
普段から歯に衣を着せぬ物言いの彼女が、珍しく口ごもるように言いながら渡してきたのは、幾重にも折りたたまれた紙。
がさがさと開いている間に部屋に閉じこもってしまった彼女の、それは手紙(の、ようなもの)だった。
「りょうへ
あなたが作った
りょうりときたら
がっかりとしか言いようがない
とうてい合格点に届いてないし
うまく作ってよね、次こそは!
みさき」
厳しいなあ。苦笑いが浮かぶ。
そして、返事を書くことにした。
「みさきへ
あれこれがんばったけど
いたらなくてごめん
しょうがない、初めてはこんなもの
て、思ってもらえたらいいんだけれど―」
ここで、筆が止まった。
「る、る、るで始まる言葉、って何かあったかな?」
うーん…。いくら頭を捻っても思いつかない(--)
ねえ、これを読んでいるあなた。いい知恵があったら、教えてくれないかな?
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