プロローグ

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プロローグ

 玉響 糸(たまゆら いと)、二十六歳。  最近人生について思うこと。  その一、食わず嫌いはよくない。  食べ物の好き嫌いだけに限らず、世の中には、知らないだけで実はすごくおいしかったという例がたくさんある。  だから、何事においてもとりあえず挑戦してみること。  その二、人を見かけで判断してはいけない。  中身を知ってみれば、意外に◯◯という場合はけっこうある。  と、そこで糸は考える。  いや、中身を知って、むしろ「ない」場合も大いにあることを忘れていた。  訂正。  集中的かつ好意的な観点から、その人をよくよく知ろうと心がけてこそ、ようやくその人の本質にたどり着けること。  だから、全人類のみなさんには、ぜひ勇気を出して欲しい。  恐れず、諦めず、偏見や常識にとらわれず、どんな相手であってもまず許し、愛そうとする心の余裕があれば、一歩踏み出したそこには新しい世界が広がっているかもしれない。  ……って、かなりこちらが歩み寄っている感がしなくもないが。  神様のいたずら、昨日の敵は今日の友、一寸先は闇、フューチャーイズブラインド!  人生は何が起こるかわからない。  大嫌いだったヤツが、世界で一番大好きな人になるようなことだって、あるということ!
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