サイコなお礼

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真希は、経過観察ということで数日入院した。 雅はその間、見舞いを欠かさなかった。 しかし、掛ける言葉も見つからず、ろくに口も聞かなかった。 退院後も真希の口数は増えることなく、雅は大丈夫だよ、とか薄っぺらい言葉を掛けるしかなかった。 一体なぜ、こうなったのか雅は頭を抱えた。 医師曰く、フッ酸はどこにでもあるようなものではなく、毒劇物としてしっかりと管理されていなければならないものらしい。 だから、これは何か仕掛けた犯人がいる可能性が高いとのこと。 真希はダメ元で、警察に被害届を提出した。 「犯人、捕まるといいね」 言葉を振り絞る雅。 本当にそんなこと思っているのか、 一瞬、真希の目がそう言っているように見えた。 一先ず、命に別状はなかったのでほっと胸を撫で下ろした雅。 これが幕開けだというのに。
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