3人が本棚に入れています
本棚に追加
余計意識しちゃう…!!
しかも、しばらく前から部長先輩は私を下の名前で呼んでいたと聞かされ、私はさらに落ち込んだ。
何なんだろう、あの部長先輩…
「どこが良いの〜?あの部長の…。顔も良いタイプじゃ絶対、無いし…遊び人だよ〜?この前は学校で禁止の原チャリでこっそり来たって野球部が言ってたし…」
「夏休みの部活でも私服禁止なのに、下は黒ジーンズで来るしな!」
「けっこう真面目なカオリには合わないよね…」
いいの、盲目だって…!
周りになんと言われても!
「だって、好きなんだもんっ!!いいんですっ!!」
先輩はヤンチャ。
みんなの言うとおり、演劇はとても真剣なのに、いつもはすぐ、さっきみたいに茶化す。
どこか飄々としていて、他の先輩達とはなんか違う気がする部長先輩。
先輩には彼女さん、居ないのかな…
先輩はごまかすのが上手そうで怖くて聞けない…
三年生の先輩とは、学校内でも部活以外で会うチャンスはほとんど無い。
来年、先輩は卒業なのに……
文化祭での演劇、学校の記念動画の演劇部に依頼された撮影、部活動内部で起きた分断…
夏以降にうちの演劇部では、本当に様々なことが起きた。
聞けない…怖くて…
伝えられない…私の気持ち…
彼女さん、いますか…?
卒業したら付き合ってもらえませんか…?
ずっと、好きでした…
「カオリ…先輩、卒業したら引っ越すらしいよ…」
「え…!?」
家庭の事情で引っ越してしまうという先輩。
先輩はもう卒業間際で、学校には来なくなる。
「先輩、その…」
勇気を出して先輩に電話。
「会って欲しいんです…。聞いてもらいたいことがあって…」
最初のコメントを投稿しよう!