特別なちから

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「ソフィさま、ただいま戻りました」 「……お待たせしてごめんなさい、ソフィ」 車に乗ると、その中で座って待っていたのは、エドワード以上に王族としての気品のある少女だった。おそらく、ゾーイ(わたし)よりも年下の女の子がただ座っているだけなのに、それを感じさせない風格がある。 「いえ。新しい側仕えが、なにかご面倒をおかけしなかった?」 「平気よ。さすがはあなたの側仕えね。とてもが行き届いていたわ」 「そう。それはよかったわ……ところで、ゾーイさま」 「なにかしら」 「お兄さまが用意していたドレスとは違うものとお見受けしますが、どうされたのですか?」
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