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「……だけど、これはきちんと着けてきてくれたんだね。ありがとう、うれしいよ」
そう言って、作り笑いではなく、心からの笑顔を見せてきたエドは姿は、みんなが憧れるであろう理想の王子そのものだった。
そして、わたしの、今までろくに感じてこなかった触覚が、ついに動いた。
首元に感じる、少しひんやりした感覚。
そして背筋を通る冷や汗が、わたしをぞくっと震わせた。
「……な、に?」
「代々伝わる、その石。きみにとてもよく似合っているよ、ゾーイ」
どうして、どうして屋敷に置いてきたはずのペンダントが、わたしの首に着いているの。
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