目標達成への道のり

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結果として、わたしなりに毒を吐いたけれど、角が立たないよう、うまく立ち回ってしまったダンスパーティーは失敗に終わったということだ。 もっと、端的に、伝えなきゃ意味がない。 たしかに、エドワード王子には恐怖を感じさせられている。冷や汗なんて、堀七海として生きていたときにですら感じたことはきっとなかった気がする。 けれど、庶民の娘だったダイアナに対してはともかく、本物のゾーイとは違って、王子に「嫌われたい」「婚約解消、および国外追放されたい」と思うだけの根本的な動機がない。 つまり、少なからず同情心をエドに対して抱いてしまう。あんなに美しいという言葉がふさわしいひとというのは、なかなかいない。せっかく見初められたのにと思ってしまう。 わたしはそう思ってしまうけれど、彼女にとっては何より重要なんだということも同様に理解できる。いくら家族を巻き込み、心中させるまでに追いやった愚兄を堀七海(わたし)が許せないと思っていても、それに全員が共感してくれるとは限らないのと同じように。
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