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「おはようございます、お嬢様。早朝から恐縮なのですが、来客がいらっしゃっておりますので、お支度のお手伝いをさせていただきますね」
何度目かの朝を迎え、使用人にそう言われた。
毎日めまぐるしいほどに来客者がいるわけではないけれど、ゾーイの関係者の名前をまだ把握しきれていないことに対しては、多少の危機感を覚えている。
「来客? どなた?」
「お嬢様がよくご存知の方です。お会いしてからご覧になってくださいませ」
彼女はそれ以上のことは教えてくれようとはしなかった。
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