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「ごきげんよう、ゾーイさま」
客間で待っていたのは、王子の妹君だった。
もちろん、側仕えも一緒にいる。
「……ごきげんよう、ソフィ。数日ぶりね。なにかありましたの?」
「将来お姉さまになるゾーイさまに、ご用件以外でお会いしたいと思うことは罪に問われてしまうのかしら」
「そうね。罪までは問われずとも、わたしはそういうひとを好まないから、相手を慮る気持ちはあってほしいわ」
「まぁ。ゾーイさまに嫌われてしまうのは本意ではありませんの。本日参りましたのは、このダイアナが、急ぎでゾーイさまにお伝えしたいことがあったからなのです。それに免じてお許しくださいな」
「……申し訳ございません。どうかお願い申し上げます」
ダイアナが、わたしに伝えたいこと……
「そう、わかったわ。ではソフィ、あなたには悪いけれど、ダイアナをお借りするわね」
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