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決戦は厄日か吉日か
「ゾーイ。ゾーイはいるかね?」
「……はい、お父様。ゾーイはここにいます」
屋敷の庭で、ティータイムとは名ばかりの、今後の対策を脳内で考えていると、急ぎ足でゾーイの父、クリストフがやってきた。堀七海の父の厳格な性格とは正反対で、今もなんだか浮かれているようすが窺える。
「あぁ、ここにいたかゾーイ」
「どうかされました?」
「まったく、ゾーイよ、いつもそのような態度で、父に対してそのような他人行儀は冷たかろう。と、そうだ、なるべく急ぎで話があったんだ」
「なんでしょうか?」
「陛下が今一度、将来娘になるゾーイのことを見ておきたいとおっしゃった。早ければ明日にでもということだけど、予定はどうだ?」
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