運命は何のみぞ知る

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『……やあ』 「っ!! なにごと?!」 『あれ、もう覚えてないの? それもそうか。はきっちりいただいたしね』 「さっきからいったいなにを……」 気がついたら、白い空間にいて、黒い物体がわたしに声をかけてきていると思われるこの状況。 わたしって、さっきまで何かやっていたよね? 「あのさ、わたし、今までなにをやってたのか出てこなくてモヤモヤしてて、気持ち悪いんだけど……」 『なるほど。でも夢で見たことって、明確には思い出せないものでしょ? きみは特に飲み込みが早かったし、大成したからね、強烈に残ってる記憶を曖昧に調整したつもりだったんだけど、どうやらやりすぎたみたい』 「どうにかならないの?」 『はっきり記憶にしたら、中和させた意味がないじゃん。どうせもうすぐ忘れるんだからさ』
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