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王子?
いま、王子って言った?
「……いかがいたしますか?」
従者が心配そうにわたしのようすを窺ってくるので、わたしは苦笑いで行くと返事する。
「では、お支度の準備をして参りますのでお待ちください」
「え、ええ……」
ひとりになった、広すぎる空間を見渡す。
わたしが眠っていた、天蓋つきのベッド。
そこから少し離れたところには、豪華すぎるドレッサーがあった。
こんな風景、洋画の中でしか見たことない。
十数分後、お待たせしました、と言って複数のお手伝いさんがやってきて、召し替えてくれる。こんなふうにされたことなんて生まれて初めてだ。まぁ、どちらかといえば死んでるんだけど。
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