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あのー! 待ってください! そんな痴漢してたからって逃げないでください。べつに捕まえようとか、騒ぎ立てようとか、そんなんじゃないんですから。
え? もう十分騒いでるって? すみません。だって、立ち止まってくれそうになかったから。……あの、もし今、お時間があったらあそこのファミレスでお話ししませんか?
あ、あの席が周り空いてていいんじゃないですか?
ん?、おじさまの頭の周りにはてなマークがいっぱい飛んでるんですけど?
「いきなりお尻を触ってたJKに、しかも君みたいなカワイイ子に呼び止められて、びっくりした?」
いやーそれはどうもです。
「捕まえるんじゃなかったら、おカネを要求されるのかって思ったけど、マジメな感じで有名進学校の制服を着てるから、そうとも思えなくて混乱してるんだ」
なるほど~。そっかー、そうですよねー。
こほん、ではおじさまの疑念をすべて晴らしましょう。呼び止めた理由はですね、おじさまのお尻や胸の触り方がすっごく気持ちよくて、また触ってほしいなって思ったからです。
いやいやいや、基本的に痴漢はNGですよ。だいたいは気持ち悪いし、許せないって思ってます。ただおじさまのは違うんですよね~。
肌にぴたってくる感じで、いいんですよ~。うっとりしちゃいました。経験もなくて言うのもなんですが、体の相性でしょうか? ぶっちゃけ濡れちゃいました。オナニーよりいいくらいでした。
あ、べつにおじさまが好きになったとか、決してそういうことじゃないですから、安心してください。そんなのありえないですから。
あれ? なんか悲しそうな顔してますけど、どうしました? 会社で嫌なことでもあったんですか? 手をぎゅって握ってあげますから、元気出して!
うわぁ、いいわぁ! 手の感触も最高です。頬ずりしてもいいですか?
「勘弁してよ。さっきからカウンターのお兄さんとか、朝っぱらからヒマそうなOLがじいっと見てるじゃない!」
そっかー。可憐なJKに痴漢するくせに度胸ないんですね。
お互いあんまり遅刻もできないでしょうから、用件に入りますね。明日もあさってもいつでも痴漢してほしいんです。おカネも警察も無関係ですからOKするしかないですよね?
激しい同意、ありがとうございます。いろいろ訊きたいことはあるでしょうけど、待ち合わせのためにとりあえずLIMEを交換しませんか? え? やってない?
妻と娘からハブられてる? 悲しいですね。あたしが天使か妖精に見えるって? その逆かもですけど。…おじさまのスマホ貸してください。LIMEのダウンロードからいろんな設定までやってあげますから。あれ? 涙ぐんでます? いい年して喜怒哀楽が激しいですね。
はい、できました。おじさまは身バレを怖がりそうだから名前は『おじさま』にしておきました。気に入らなかったら変えてください。え? あたしは本名ですよ。不思議そうな顔してますね~。もちろん、こんなことするの初めてですよ。
あ、そうだ。ちょっとまたスマホ貸してください。今度はあたしが使ってるアプリをダウンロードしておいてほしいから。このアプリはメッセージなんかの文字を読み上げてくれるんです。それだけだったら、昔からワレワレハーみたいなのはありますけど、これは電話でしゃべってる本人の声とか話し方を学習していくんです。試しに送りますね。
「おじさま、今日はありがとね。さやかとっても気持ちよかったぁ。はーと。また明日もいっぱい触ってね。ちゅ」
あちゃー、音量大きすぎましたね。でも、あたしにそっくりでしょ? ま、うまく学習させられれば、おじさまに触られてる気持ちをLIMEで送れば「あん! おじさまの硬いのが!」ってあたしの声で聞けるわけです。
うふふ、目がキラキラしてきましたね。もちろんおじさまの声も学習させてくれれば「顔が赤いね。もう濡れてるのかい?」なんて、エロ動画やエロボイスみたいなやり取りがヘッドフォンで誰にも知られずにできるわけです。
じゃあ、これで用件終了です。また明日の朝、ホームのあの辺りで待ってますね。「おはよう! 今日はどんなパンツ?」って挨拶してください。
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