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まあ、詳しい事は追々、とロワンが話を切った
そして俺へと向き直り、少し申し訳なそうな顔をする
「お願いがあるのですが…トウヤのステータス、見せていただけませんか?」
「えっ、見せれるんですか?」
そんな顔でお願いが…と言われてとんでもない願いかと身構えたのに、実際には何とも検討外れなお願い。
ステータス見せれるの?ほんとに?
ええ?あの画面他人にも見れちゃうの?どうなってんのこの世界
もしかして…今朝の画面とかアルドに見られてたのだろうか?何も言われなかったけど…
「そうですね。えっと、お手本として。
…ステータスオープン」
ロワンがそう言うと、目の前に出た見覚えのある画面
でもそこに書かれている事は、俺の物とは似ているようで似ていない
「れべる、ごひゃくじゅうに…」
思わず舌ったらずな喋り方になってしまった。
それもその筈、許して欲しい
レベル512
HP3846
MP5248
適正魔法/水・風・闇
俺のステータスどんなんだっけな…
レベルマックスとかの概念はないの?どうなってるの?
「人に見せたい。と思えば見せれますよ」
このステータスを見た後に俺のステータス出すの?恥ずかしすぎるんだけれども…
お願いします、とロワンが眉を下げて笑うものだから、こんな些細なお願いくらい答えてあげようと口を開いた
「ステータスオープン!」
前回同様、目の前に現れる画面
よく見知った俺のステータス画面だ。
「……そんな…」
俺のレベルの低さに驚いたのか、ロワンが小さな声を出し、目を見開き固まってしまった。
さすがにこの反応はちょっと傷つく…
仕方ないじゃないか!
俺だってやだよ、こんなショボいステータス
「おうおう、どした、俺にも見せろ」
モグモグとマズイ肉を食べ続けてたアルドがひょいと首を出し、俺のステータス画面を覗き込む。
そして、今日3度目となる怒りを孕んだアルドの低い声「おい!」が静かな森に木霊した。
なんだ、なんだ
レベルの低い事がそんなに悪い事なのか?
俺だってこれからレベル上げするんだ、そしたらもう少しマシなステータスに…と少しばかり落ち込んでいると、首筋にヒヤリとした物が触れた。
視線をゆっくりずらすと、そこには首筋に充てられたアルドの剣
剣を抜いた事さえ気づかなかった
その冷たい剣の感触に、冷たい汗が背中を伝う
「…暗黒魔法が使えるのか」
とても低いアルドの声
いいえ、適性があるだけで、魔法は使えない。
と声に出して言いたいが、少しでも動けば剣で切れてしまいそうで、恐怖のあまり唾液すら飲み込めない
「頭も筋肉ですね。MPを見なさい」
カチコチに固まってた俺の横でロワンがそう言うと、綺麗な指先でアルドの剣を掴み、俺の喉から少し離してくれた
目の前でキラキラと太陽を反射させる剣にまだ恐怖心は消えないが、少しの安堵で口内に溜まった唾液をゴクリと飲み込む
「あ゛?MP……3??…ぶふぉっ、ブファ、ハハハハハハヒィー!!!!!」
今まで人に剣を向けてた男とは思えない程、アルドは下品に笑い転げ回っている
これには流石の俺も少しだけムカっとした。
隣に居るロワンもこれでもかっていうくらい冷たい目でアルドを見ている
だが肝心のアルドはそんな超絶冷えたこの空気を読むこともなく笑い続けた。
うーーん。今朝この鬼が優しいなんて思った俺に教えてあげたい…この鬼、全然親切な優しい鬼じゃないかも。ただの変な鬼かも
「トウヤ、すみません。」
本当にゴミを見るような目でアルドを一瞥したロワンが、申し訳なそうに頭を下げた。
ロワンは何も悪くないのだから謝る必要なんてないのに…
「それと…その肉も、美味しくないでしょう?無理して食べなくて良いですからね」
そう言い俺の手元に残る串肉を見た。
やっぱりこれ美味しくないんだ…
たしかにさっきから、肉を食べていたのはアルドだけだった。
ん?待てよ?
確かアルドは肉を狩に行くって出かけて行ったはず…もしかして、もしかしてだけど、この肉がそうなのか??
という事は、俺はこんなマズイ肉のためにあそこに置いて行かれて…っだめだ、思い出すのはやめよう。忘れるんだから!
そういえば昨夜、うんこすら食べたい的な事言ってたし…アルドは味覚さえもヤバいやつなのかもしれないな
「あの…俺の能力ってやっぱり低いんですか?」
とりあえずアルドの事は無視して、1番気になっていた事をロワンに聞いてみる
「…うーん。レベル1ですからね、何とも言えないです」
「ヒィ!レベル1とか赤子でしか見た事ねえ!いや、赤子はステータス開けねえから見た事ねえわ!!ぐふっ、ふふふははは!!!!」
え、待って、レベル1って赤子レベルなの?!
なんで?!
「えっとですね、トウヤ、レベルというものは年齢に比例するのものなんです」
「………は???」
「簡単に言うと、5歳の子はレベル5、20歳になるとレベル20といった感じですね」
「う、うん???」
え?でもそれでいくと…
「ロワンは何歳…」
ニッコリ笑ったロワンが答えた、「レベルの通りです」
うーーーーん。
異世界こわっ
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