151人が本棚に入れています
本棚に追加
メロンパン
そういえば、ロワンのステータスに所持金の表示はなかったな…
え?もしかして、ロワンってこう見えて無一文??
「あのえっと…ロワンはお金…持ってないの?」
「??持ってますよ、ほら」
と、まるでマジシャンのように、どこから紙を1枚だした。紙幣だろうか
あれ?お金持ってるの?ロワンのステータスに所持金の表示はなかったけど…
俺の方が特殊なだけ?
そう思い、俺のステータス画面少し変だもんな…触れるし。と所持金の所をタッチしてみた。
うん。やっぱり俺のステータス画面が他と違うだけだった
新しく開かれたウィンドウには、チャージしますか?の文字
チラリ、とロワンの手の中の紙を見れば、意思を汲み取ってくれたのか、ニコリとその紙をくれた。
新しく開かれたウィンドウの、YESの文字をタッチすると、ロワンに貰った紙が一瞬で消え
10000Gチャージ、の文字
いちまん…まじか
え、待って、これどうやって戻すの?入れたのに出す方法は書いてないんだけど…!!
え、どうしよう。ロワンの10000G
「えっと…出し方分からないです…どうしよう…ごめんなさい」
「ふふ、それくらい構いませんよ。
異世界からやってくると仕様が違うとは耳にしましたが、まさかこんな感じとは…」
「えっ、異世界からよく人来るの?!」
「よく…かは分かりませんが。100年に1度くらいは話題になりますね」
思い掛けない言葉に、思わず前のめりでロワンへと問いかけてしまった。
少し驚いたロワンはそれでも優しくゆっくりと説明してくれる。
この世界は、稀に異世界から人が来る事があり、その大半は人間として転生してくると。
そして、特殊なスキルを持っていたり、ステータスが異常に高かったりする為、国から追われる者、国へ仕える者、と二分化するそうだ。
この場合の国とは、人間国家のみ、魔国では異世界人は珍しい者…との認識はあるが、追いかけ回すほどのものではないらしい。
異世界人が来るのは、知られている限りでは約100年に一度の周期
これは全国共通で有名な話しで、前回の転生者からそろそろ100年経つ…とここ数年は話題になっていたそう。
そう言った話もあって、出会って直ぐに俺が異世界人では?という考えが浮かんだのだと言う
100年かあ
100年…次誰か来る時、俺は死んでるな。
でもロワンにしたら、俺は異世界人5人目…とかなのかもしれない。魔族の寿命ってどうなってるんだろう…
あとこれ以上色んな人に異世界人ってバレたくないな…すごく、面倒臭そう。
「…平和に暮らしたい」
「そうですね、異世界から来たと分かると色々大変な目には遭うでしょうね…」
最初に出会ったのが魔族だった事はもしかすると、とても幸運だったのかもしれない。
異世界に来てすぐ、何処かの国へ取り込まれる事は回避できたのだから
最初のコメントを投稿しよう!