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「僕が今、君に挑んで勝てるわけがないだろう。僕は完璧主義なんだ。たとえ勝算があったとしても確実に勝てる方法じゃないと実行しない。しかし、データを収集し対策することで少しずつこちらの勝率も上がってくる」
相変わらずよく喋る。全てを説明しないと気がすまないのだろう。
本来、敵である我に話す内容ではない。勝率云々の話をした時点で我を討とうとしているのは明白だ。
どのような計画なのか全て聞き出すとしよう。
「随分、堅実なことだ。だが、どんなに情報を集めようとも我が絶対的な神であり、君たち人間との絶対的な差があることに変わりはない」
まるで慢心しているかのような言いようで隙を晒す。
相手が油断していると思うと自身も気が緩んでしまうものだ。
彼はただでさえ、よく喋る。更に饒舌になってくれるだろう。
「それはどうかな? 君は自我を失った※※に力のみで圧倒された。僕も初めて見る特質だったが、“闘獣”とでも言っておこうか。彼女が止めないと君は負けていただろう。だが…さっきも言ったように僕は完璧主義だ。勝てたとしても仲間が死んでしまっては意味がない。次は全員生存させた上で君を倒す。いや、君を……必ず改心させる」
予想通り長々と話してくれたわけだが我は1つの言葉に引っかかる。
「次とは何だ?」
彼はニヤリと笑い、ポケットに入れていたボタンを取り出した。
我は警戒を怠っていなかった。彼がその謎のボタンを取り出した瞬間、すぐさま彼に向けて指を鳴らす。
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