日常

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夢や目標か。確かに大事なんだけど。 今の世の中は平和だ。他の国はわからないけど、この国は戦争なんてしないし、いきなり核ミサイルを撃ち込まれることもない。 僕1人がいてもいなくてもこの国の平和は成り立っていて、僕が何か偉業を成し遂げなくてもこの国は発展していく。 そんな状況で夢や目標を探すのって難しい気がする。 “何もしない”という選択ができる時代がすぐそこまで来ている。 「夢や目標をなぁ必ず持たないといけないって訳じゃないぞ。ただなぁ持ってないと時々、『俺、何してるんだろう』とかなぁ『俺、生きてる意味あるんだろうか?』って落ち込むときがあるんよなぁ」 ちょっと図星でドキッとした。 生きてる意味ないのでは?って時々思うことがある。 「そうなると結構辛いと思うんよなぁ。夢や目標がないって人は『これだけは譲れん!』ってものを持ってほしい。夢や目標に向かっていく原動力を譲れないものを守るために使うってことなぁ。その原動力が有り余ると考え込んだり、もやもやしたりするんかなって先生は思う! ごめんなぁ! 話長くなった! じゃ、帰りのホームルームはこれで終わり! 一同起立!」 確かにいい話だけど長かった。 “起立”と言った瞬間、皆、長いわと言わんばかりに勢いよく立ち上がった。 譲れないものや目標を見つけること。それは僕にとっては簡単じゃない。 明日も明後日も10年後も100年後も平和に違いない。 そう思っていたんだけど……。 今日を境に僕たちの日常は一気に崩れ落ちる。 【 第0章 プロローグ ー 完結 ー 】
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