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1日目 - 水瀬 友紀
はぁはぁ...
なんでこうなった?
息が苦しい。こんなに死ぬ気で走ったのはいつぶりだろうか。
真っ暗で街灯も何もない田舎道を、僕はただ走り続ける。
あれはいったい何なんだ?
確か自分で発明したものだと言ってたけど。
見た目は全身真っ黒で光をほとんど反射しない。
ホームルームが終わって何分たったかわからないけど、もう日は沈んでいる。
この時間帯を狙っていたんだろう。あの感じだと近くにいても気づけない。
どこか奴らが追ってこれない場所、隠れられる場所はあるか。
あいつら速いし息も切れない。このまま走っているだけじゃ確実に捕まる。
………そうか。あいつらは機械だ。
水だ。どんなに高性能な機械……いや、高性能で精密に作られた機械ほど水に弱いはず。
防水だったら詰むけど、走るより逃げ切れる可能性はある。
確かこの近くに大きな川があったはずだ。そこに行こう。
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