1日目 - 水瀬 友紀

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【時間はホームルームに遡る】 「起立! 礼! ありがとうございました!」 今日も終わりかぁ。いつもと変わらない1日だった。 辻本(つじもと)「じゃあ、明日までになぁ進路希望の紙書いてきてなぁ。まだ2年生だから決まってない人は興味のある学校とか、ざっくりこんな仕事に興味あるとかでもいいからなぁ」 忘れそうだから今書いて渡そう。 まだ進路なんて全然決めてないけど。 _______________________________________ 学年:2年 学籍番号:02015 名前:水瀬(みなせ) 友紀(ゆうき) 進路:どこかは決まってないけど大学に進学したいと思ってます。 _______________________________________ こんな感じでいいかな。 よし、まだ先生いるから出しにいこう。 今は放課後、みんなまだクラスに残って談笑している。 だいたいいつもこんな感じ。このクラスはみんな温厚で仲が良い。 ホームルームが終わってすぐに帰る人って基本いない。1人の不良を除いて。 だけど、今日は早く帰るべきだった。 水瀬(みなせ)「先生、今書けたので提出します」 辻本(つじもと)「お、ありがとな。水瀬(みなせ)はいつも早くて助かるよ。気をつけて帰るんだぞ」 水瀬(みなせ)「はい。ありがとうございます」 先生に一礼してから、教室のドアの方に身体を向ける。 そのとき、放課後にはあまり鳴らない教室のスピーカーの音が鳴り響いた。 このときはまだ何も思わなかった。 ここから僕たちの長い物語が始まったんだ。
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