1日目 - 水瀬 友紀

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放送の音が3回。 この学校では1回鳴るときと3回鳴るときがある。 1回の場合、通常の連絡。誰かを呼び出すときとか部活が休みになったときとか。 3回の場合は緊急事態。火災が発生したときや不審者が侵入したときなど。 つまり、3回鳴ることは押し間違えや避難訓練を除いては滅多にない。 今日は避難訓練とか、何もない日。 押し間違えにしては一定の間隔で3回鳴らしている。 本当の緊急事態かもしれない。 不審者か? 火事か? それとも地震? 先ほどまで賑やかだった教室が静まり返る。 『…ザッ…ザザッ……あー…あー……ザッ…聞こえてる?』 どこかで聞いたことある声。だけど先生の声ではない。 誰だ? ノイズが混じっていて聞きとりづらい。そもそも、こんなにノイズ酷かったか? 『あ、その様子だと…ザザッ……聞こえてるね…ザッ…電波悪いな…ザッ……さすがに遠いか』 こちらが見えている? どこかにカメラが? それにこの声、やっぱり知っている。 『まぁ、いいや。手短に話そう。君たちにはこれから3日間、僕の造ったロボットと楽しい鬼ごっこをやってもらう。どこに逃げてもいい。まぁ町から出られると面倒だが、それも良しとする。壊してくれても構わない。捕まらなければ何をしてもいいわけだ。捕まれば人質、3日間逃げ切れば君たちは幸せな日常に戻れる……というわけで早速始めようか!』 長々と話し始めたと同時に少しだけノイズが薄れた。 わかった! この声は……
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