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理性を失った※※を制止する彼女の声。殴打する音が止み、辺りは静まり返る。
「ぼ…僕は、何を…。こ、これは僕がやったの?」
「えぇ、あなたが彼を。ありがとう。彼に捕らわれていた神はこれで元のところに帰るわ。友達を死なせてしまって本当にごめんなさい……ううっ」
また泣いているのか。甘い…。甘いな…。
だから、我を殺し損ねるのだ。
グサッ
「死神之鎌。これに斬られた者はたとえ擦っただけでも死に至る。神の所有物だ」
我は立ち上がり、死神之鎌を※※の背中に突き刺した。
あれだけ強かった化け物も即死。声を上げる間もなくその場に倒れ込んだ。
もっとも…、不意打ちでなければ取りだす暇もないだろうが。
「※※く…」
うるさい。この鎌で駆け寄ってくる彼女の首もはねる。
首は地面を転がり、首を切り離された彼女の身体は2、3歩走ったところで倒れ込んだ。
これで邪魔をするものは地球上ではいなくなったわけだ。
後1発喰らっていたら、このような結末にはならなかったかもしれない。
我が完全に死んだのを確認してから止めるべきだった。
顔が陥没しようとも、身体が八つ裂きにされようとも、意識さえ残っていれば僅かな時間で全快する。
パチパチパチ
この闘いが終わるまで、ずっと見ているだけだった“BREAKERZ”の最後の1人が拍手をしながらこちらに近づいてきた。
「なるほど、これが神の力か。まぁ、厳密には神を取りこんだ人間の力というわけだが」
相変わらず敵意はなさそうだが、妙な感じがする。油断してはならないと我の本能が知らせている。
とは言っても彼も友人だ。話は聞いてやろう。
「友人よ、我に何か用か?」
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