友人、神の力を手に入れる

8/12
843人が本棚に入れています
本棚に追加
/1226ページ
理性を失った※※を制止する彼女の声。殴打する音が止み、辺りは静まり返る。 「ぼ…僕は、何を…。こ、これは僕がやったの?」 「えぇ、あなたが彼を。ありがとう。彼に捕らわれていた神はこれで元のところに帰るわ。友達を死なせてしまって本当にごめんなさい……ううっ」 また泣いているのか。甘い…。甘いな…。 だから、我を殺し損ねるのだ。 グサッ 「死神之鎌(しにがみのかま)。これに斬られた者はたとえ擦っただけでも死に至る。神の所有物だ」 我は立ち上がり、死神之鎌(しにがみのかま)を※※の背中に突き刺した。 あれだけ強かった化け物も即死。声を上げる間もなくその場に倒れ込んだ。 もっとも…、不意打ちでなければ取りだす暇もないだろうが。 「※※く…」 うるさい。この鎌で駆け寄ってくる彼女の首もはねる。 首は地面を転がり、首を切り離された彼女の身体は2、3歩走ったところで倒れ込んだ。 これで邪魔をするものは地球上ではいなくなったわけだ。 後1発喰らっていたら、このような結末にはならなかったかもしれない。 (われ)が完全に死んだのを確認してから止めるべきだった。 顔が陥没しようとも、身体が八つ裂きにされようとも、意識さえ残っていれば僅かな時間で全快する。 パチパチパチ この闘いが終わるまで、ずっと見ているだけだった“BREAKERZ(ブレイカーズ)”の最後の1人が拍手をしながらこちらに近づいてきた。 「なるほど、これが神の力か。まぁ、厳密には神を取りこんだ人間の力というわけだが」 相変わらず敵意はなさそうだが、妙な感じがする。油断してはならないと我の本能が知らせている。 とは言っても彼も友人だ。話は聞いてやろう。 「友人よ、我に何か用か?」
/1226ページ

最初のコメントを投稿しよう!