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「れん。メダマちゃんいるか?」
「いない」
ぼくは、池の中をさがしながら言った。池には、虫や魚がたくさんいるけど、目玉みたいなお化けはいない。いなくてほっとする。
「あ、メダカ」
「なに? どこだ?」
ひろくんは、あきっぽい。メダマちゃんが見つからなかったら、すぐにべつの生き物にきょうみがうつる。今日は、メダカのむれを見つけたから、メダカとりになった。
ひろくんは、あみをのばしてメダカをつかまえようとしたけど、しっぱいした。かわりに、てきとうなえだで、ザリガニつりをした。さいきん毎日、ザリガニをつっている。今日は、3びきしかつれなかった。
「ほらよ。ちゃんと、持って帰れよ」
「うん」
ひろくんは、何をつっても、ぜったいに持って帰らない。お母さんが、ダメって言うらしい。だから、メダマちゃんさがしのついでにつった魚やザリガニは、全部、ぼくが持って帰ることになる。
「カメ、元気か?」
「うん。元気だよ」
カメは、先週この池でつかまえた。ぼくの家には、今は何もかっていない小さな池があるから、かえってひろくんに言われて、仕方なくかってる。
ないしょでカメを池に入れたけど、お母さんにはまだ見つかってない。池はあんまりきれいじゃないし、カメが、池のそこにかくれてるからだと思う。
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