スピンオフ

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スピンオフ

ブゥゥン。 大型トラックを運転する美人のおねいさんと、助手席のモサイおじさん。 咲良とイライジャである。 ここはスペインの田舎町、イライジャの故郷コルドバ。 2人はイライジャの妹オリビアに出産祝いを渡しに、はるばる来たのだ。 「次はどっち?」 豪快かつ繊細にハンドルを回しながら尋ねる咲良。 ドアにしなだれかかるようにダラしなく座りながら、虚ろな表情でウイスキーをかぽっと口に流すイライジャ。 「ちょっと!次どっちって聞いてるんだけど!?」 酒に呑まれて頭がボンヤリしているイライジャの目の前にはお花畑が広がっている。 「ウッ!!」 急いで助手席のドアを開けるイライジャ。 「オゥエエエエエエエェ!!!!」 ビチビチビチっ。 山道にゲロが撒かれる。 「さっきから何回それすんのよ!」 ドアノブをつかみながらフラフラした上半身が車外へ落ちそうになる。 「あぶない!!」 キィぃいい!!! 急ブレーキによって勢いよく外へ飛び出してしまうイライジャ。 「イライジャ!!」 車を降りて急いで確認しにいく咲良。 片膝をついて手にバラを持っているイライジャ。 「咲良。結婚してくれ」 キリッとした目でニカッと笑うイライジャ。 ゲロまみれのクチにキスをする咲良。
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