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目が覚めると、私の身体はベッドの中にありました。
確か机に突っ伏したまま、眠ってしまったはず。誰かが私をベッドの中まで、運んでくれたのでしょうか?
そう不思議に思っていると、目の前に殺されたはずの彼がいました。
始めは夢かと思いました。
しかし、触覚や嗅覚が、目の前の光景が現実であると伝えてきます。
恐る恐る今日の日付を尋ねると、彼が死ぬ丁度1ヶ月前だと分かり、時間が撒き戻った事を知ったのです。
願いが叶った私は、彼が賊に殺されないよう対策をしました。
しかし……、彼はその1ヶ月後、今度は突き落とされそうになった私を庇って死んだのです。
私は再び祈りました。
もう一度、時間を巻き戻してくださいと。
目覚めると、また1ヶ月前に戻っていました。
そして1ヶ月後、彼は死んだのです。
前回とはまた、違う理由で。
何度も何度もこの1ヶ月間を繰り返し、1つ分かった事があります。
彼はいつも、私がきっかけで亡くなるのです。
しかしどれだけ私から彼を遠ざけても、あの人は私の前に現れ、そして死ぬ。
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