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彼を救えず自暴自棄になった私は、彼の死の原因である私自身がいなくなればいいのではないかと、自死を選んだこともありました。
しかし、それも阻まれるのです。
必ず。
そして1ヶ月後、彼は死にました。
私を庇って。
何度も何度も繰り返して、たった1つだけ、彼よりも先に私が死ぬ方法を見つけました。
それは王太子から婚約破棄をされ、悪女として処刑されること。
いつもと違った行動が変化を起こしたのでしょうか。
王太子に目を掛けられ、私の意思と関係なく婚約を結ばされたことがありました。
それによって妹に酷く憎まれ、罪人に仕立て上げられたのです。
新たな変化が、どのような結末を迎えるのか知りたくて、私は冤罪を受け入れる事にしました。
その結果が、処刑でした。
私が死んでも、あの人が亡くなる運命は変わらないかもしれない。
でも私が死ねば、もうあの人が目の前で亡くなる光景を見なくて済む。
疲れた私は、処刑を受け入れました。
私の首は、もうギロチンの台に固定され、逃れる術はありません。
彼がどう抵抗したとしても、私を救い出す事は不可能。
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