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「ほら、しっかり自分の力で歩いて」  無理矢理服を着せられて長い廊下を歩かされる。屋根を叩く雨音が室内にまで響いてきた。峰山に半ば抱かれるようにして部屋に連れ込まれる。 「もう終わりかと思ったか?」  保の体をそっと床に下ろすと馬乗りになってきた。心臓が破裂しそうなほどうるさい。強い雨足が窓を叩く。その音だけが部屋にこだました。力の入らない体をなんとか起こそうとすると峰山に押し倒される。 「これからが本番だよ。俺に男を教えてくれ」 「い、嫌だ……俺、男なんて好きじゃな」  言いかけた言葉は峰山の口に吸い込まれた。ぷっくりと膨れた柔らかい唇が重ねられている。何度か角度を変えてされるがままになっていると、だらんとおろしていた手を握られる。熱い手のひらを感じて、離してもらいたくてきゅっと手のひらをつねったけれど離してくれる気配はない。 「保も役に入り込めばいいんだよ。気持ちいいことは嫌いじゃないだろう?」  どくん、と胸が鳴る。たしかに性欲処理は嫌いじゃない。けれど気持ちが追いつかない。 「おまえは俺を好いている男。俺のことが好きで好きでたまらないんだ。雨宿りにきた俺に迫ってきて、自ら舌を絡めるんだ。淫乱な男だろう?」  想像しているとまた脚の間が熱を帯びてくる。峰山はすでに昂っているそれをぐりぐりと保の太ももに押し付けてくる。弾力のあるそれで擦られると、とたんにむずむずとしてきて体を捩るのを止められない。
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