83人が本棚に入れています
本棚に追加
偏差値六十を超える頭のいいお嬢様が多く通っている大学だった。彼女たちの付属品や服を見れば金がかかっているのがよくわかる。大輝は金持ちの女が好きらしい。甘えればなんでも買ってくれるから都合がいいのだという。大輝は服を買うために地元から二つ離れた中規模のオフィス街で居酒屋を二つ掛け持ちしている。おしゃれのためだとは言いつつも、要領がいい奴だから仕事もできるタイプで保とは正反対の性格をしている。なぜそんな奴と友達なのか今でもわからない。大輝に気に入られているだけで、こちらはそれに合わせているだけだ。この関係を友達と呼べるのだろうかと日々自問している。
遅れてきた男は大輝のSNS繋がりの友人らしく、ファッションやメンズメイクの話で二人は盛り上がっているようだった。その男とは軽く挨拶をするだけで話をしていない。お互い合わないんだろうなと内心思っているに違いない。
おしゃべりがひと段落するとカラオケに行こうという流れになった。今すぐにでも帰りたかった俺は大輝に頭を下げて途中退席することになった。すると、愛理さんも用事ができたので帰ると言ってきたので、大輝はいやらしい視線を保に送ってきた。
向かう駅が同じということもあり、なんとなく付かず離れずの距離で愛理さんと歩いた。女子と一緒に歩くのは半年ぶりだったので、歩幅を合わせるように心がける。
最初のコメントを投稿しよう!