バーテンは夕方です。

再会

「これはギムレットか……？」
「はい。鮫島さん……
潔さんがよく飲んでたものです。」
「なぜギムレットなんだ……」
「昔、お父様が運転する際に流れてた曲で
歌詞に『ギムレット』があったからだ、
と聞いております。」
「そうか……潔は恨んでいなかったのか……」
「完全に恨んでる訳ではない、と
述べていました。」
「なるほど。潔は完全に恨んでると
思ってたんだが違うんだな……。
ありがとう、バーテンさん。
たまにはここにくるよ。」
「はい。お待ちしております。」
「ギムレット、美味しかったよ。
それじゃこれは色んなことを含めた上で
払うからもらってくれ。」
「こんな大金貰えませんよ！」
「もらってくれ。ではご馳走様。」

貰えませんよ！と放つ前にお父様が
店を出た。がすぐ戻ってきた。