進路

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進路

鮫島さんは、修行してるBARの常連客。 真面目な人で、早めに就活を始めている。 「バーテンくん、いつもの。」 「はい、かしこまりました。 にしても元気ないですね?」 「分からないんだ、やりたい事が。」 「鮫島さん医学部にいましたよね?確か」 鮫島さんが医学部にいるのは本人から聞いた。 何か自問自答をしているのだろうか……? 「中退する事にするか、迷ってる。 料理が好きだから専門学校生になろうかな ってさ。」 「そうだったんですね! 鮫島さんは、医学部に入ったのは 家業を……って事でしたっけ?」 「そうだけど、本音を言うと嫌なんだ」 「なるほど。親御さんから言われたり、 そんなことは特にないんですよね?」 「……家業を、ってずっと言うよ。」 「じゃあ、専門学校は」 「反対してるよ」 反対してるんですか、と訪ねる前に 遮り教えてくれた。
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