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まあ君。 石像みたいに動けなくなってる。 ソファに座ったまま、固まってる。 さっき私が首にかけたTシャツは首にかかったままだし 口半開きにしてボーッとしている。 見たことないまあ君の姿に 胸がギュッとなる。 詳しくはわからないけど。 わからないけど、きっとすぐに実家に帰った方がいいと思うんだけど 放心状態のまあ君は きっとそこまで頭が回ってない。 何か、 何かしなきゃ。 私がしっかりしないと 今のまあ君はきっとあてにならないし 何にもできない。 そりゃそうだ。 お父さん倒れたんだから。 とにかく私も混乱した頭で。 色々グルグル考えて、すぐ出発できるように準備しなきゃ。 まあ君が動けないなら、私が準備しなきゃ。 でも、私もこんな経験ないから どうしたらいいかわからなくて まあ君になんて声をかけたらいいかわからなくて 急と、混乱と、心配と。 なんか私も涙が溢れてくる。 いつもは困ったらまあ君が いつもまあ君が、助けてくれたし、教えてくれた。 でも、今は、私がしっかりしなくちゃ。
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