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結衣を守っていきたい
支えていきたい。
そんな俺の思いすら、烏滸がましかったのかもしれない。
本当に守られているのは俺で
いつも支えられているのも俺だったのかもしれない。
こんなことがあって。
結衣の存在の大きさを、改めて知る。
次々に溢れてくる色んな感情と涙は
全然おさまらなくて。
「まあ君?」
「結衣。」
「ごめん、寝ちゃってた・・・大丈夫?」
「大丈夫だった。親父、手術してもらって、無事終わったって。」
「ほんと?よかった、よかったぁ・・・。」
と目に涙を浮かべて、ふにゃっと笑う結衣。
その笑顔にほっとする。
「まあ君。」
「ん?」
「お疲れ様ね。」
こんな俺に、自分では何にもできなかった俺に
優しく労いの言葉をかけてくれる結衣。
お疲れ様は、お前だよ。
全部全部1人でこなして、俺の世話をして。
「結衣、ほんとありがとな。助かったよ。俺・・・」
「ん?」
「お前がいなきゃ無理だった。1人じゃ何にもできなかった。」
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