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いつの間にか眠ってしまって 目が覚めるとまあ君が帰ってきてて。 目を真っ赤にして泣いている。 大人の男の人って、こんなに泣くんだって びっくりするくらいに、ボロボロ涙を流している。 お父さん、大丈夫って聞いて少し安心したけど。 目の前で、子供みたいに泣いてるまあ君に 胸の奥がぎゅーっと締め付けられる。 ずっと我慢してたんだね。 ずっとずっと、弱いところを人に見せないように生きてきたのかな。 本当は、弱虫で泣き虫で、怖がりで甘えん坊の末っ子で。 なのに、ずっとずっと大人のふりして。 いや、大人なんだけど。 辛い時に辛いって、寂しい時に寂しいって。 ずっと我慢しているうちに きっと、言い方忘れちゃったんだね。まあ君。 そんな風に思ったら。 急に目の前の17歳年上のまあ君が 可愛くて、愛おしくて、守ってあげたくて。 ずっとこの人のそばにいたいって思った。 かっこ悪くても、泣き虫でも。 私が守ってあげたいって、思った。 まあ君。もう大丈夫だよ。 1人で頑張らなくてもいいよ、強がらなくてもいいんだよ。 私、いつもまあ君のそばにいるから。
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