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私の慌てっぷりがおかしいのか
さっきからクスクス笑ってるまあ君。
「昌くんー!結衣ちゃーん!お腹減んねがー?お昼だよー!」
階段の下から智美さんの声がした。
「お前、身支度整えすぎ。ほら、行くぞ。」
とまあ君に手を引かれ部屋を出る。
トントンと軽快に階段を降りる背中についていく。
階段の下で
「結衣ちゃん、おはよう。寝れた?昨日はお疲れ様ねー。」
と智美さんが優しく声をかけてくれる。
「おはようございます。お布団、ありがとうございました・・・。」
と自分でもわかるくらい、どんどん小さくなる私の声。
「緊張するよなあ、こんな男ばっかりむさ苦しい。」
と言いながら、台所の方へ消えていく智美さん。
優しい声にほっとする。
「昌、随分めんごいんじゃねえのが?」
と居間の方から男性の声がする。
「いいだろ、ほっとけ。」と照れるまあくん。
「上の兄貴。」
とまあ君が教えてくれるまあ君に続いて居間に入る。
畳にどかっと座るまあ君の隣に、ひっそりと座る。
「初めまして。佐伯結衣です。」
さっきよりもっと小さい声になる。
緊張しながら顔を上げると
なんと。
そっくり。
まあ君をもっと色黒にして、ガタイを良くした感じで。
でも顔の感じがそっくり。
「似てっぺ。」
とお兄さんがニコっと笑ってくれる。
「俺と昌はそっくりなんだ。」
「似てねえーがら。」
とまあ君が不満そうにボソッと言う。
「そっくりだがら。あんたたち2人は。」
と台所からお盆にお昼ご飯のお皿を載せて智美さんが入ってくる。
「お袋は?」
お盆からお昼ご飯を受け取りながらまあ君が聞く。
「午前中に友くんが迎えにきて、病院さ行った。」
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