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俺の三兄弟は
昌俊、昌友、昌弘
全員、昌の字が付くのは
親父が昌次だから。
後になって、全員省略すると‘昌‘になることに気づいた親父は
ややこしいと後悔しているらしい。
俺とそっくりだと言われる長男は、俊
1人だけ全然顔が違う次男は、友
三男の俺だけがなぜだか 昌 と呼ばれる。
兄貴2人も、俺のことを昌と呼ぶ。
自分だって、昌なのに。
武内家の七不思議の一つだが。
兄貴たちの嫁さんや、甥っ子姪っ子は俺のことを昌くんと呼ぶ。
もう、君なんて呼ばれる歳でもないのだけど。
この家で、俺はいくつになっても末っ子だ。
そんなことはどうでも良くて。
さっきから兄貴の横に座り、ジロジロと俺と結衣を見ているのは
兄貴の次男。俺の甥っ子だ。
歳はちょうど結衣の2つ上。
彼女なんか連れてきたことのない俺が
いきなり連れてきた若すぎる彼女が物珍しいんだろう。
「隆太、見過ぎ。」
「若すぎない?」
うるせえよ。
「昌くん、彼女とか連れてきたことねえから、女とか興味ないのかと思ってた。」
失礼なことを言う隆太。
「お前、うるせえよ。」
「本当だ。何がどうしてこうなったんだ、昌。」
兄貴も、話に乗ってくんなよ。
「ほんっとに、このバカ親子は。そんな野暮なこと聞いてんじゃないよ。」
「結衣ちゃん、気にしねたっていいからね。」
と兄貴の嫁さんがいい感じにフォローしてくれる。
長男夫婦には娘がいないから、自分の子供とおんなじような歳の女の子の結衣が可愛いのだろう。
「ありがとうございます。」
と昨日のお姉さんモードは終了したようで、すっかり人見知りの末っ子モードに変換した結衣が小さく返事をする。
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