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「嬉しい…。まずはお友達からでもいいです。連絡先を教えてくれませんか?」
彼はそう言って微笑んだ。
笑顔も素敵だった。
「はい」
あたしの返事に迷いはなかった。
連絡先を伝えるため、メモ帳をカバンから出そうとしたその時────…
「こらーーーー!!!お前何してんだーーーーーーーー!!!!!!!」
彼の後ろから数人の警備員や従業員が走ってくるのが見えて
「こっち来い!」
「ただで済むと思うなよ!!!」
あっという間に取り囲まれてしまった彼は、警備員に両腕を掴まれ引きずられるようにしてあたしから離されてしまう。
「ま、待ってください!まだ彼女の連絡……っ!」
「アホ!!!!着ぐるみが人前で顔晒すなんか前代未聞だ!!!!!」
「で、でも連絡先…」
「いいからさっさとこっち来い!」
彼と従業員との間で繰り広げられる会話を、私は唖然と眺めていた。
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