日日是好日。

雨の日も風の日も、日日是好日。

ミレニアム婚という言葉がクローズアップされていた西暦2000年の秋、五十二歳の夫と二十六歳の私は出会って一ヶ月で結婚を決めた。

ふたりの年齢差二十六歳。
ちょうど倍ですよ、倍！

当然お互いに迷いがなかったはずはなく。
ただ、この機会を逃すと仕事の都合で遠距離になることが確定していたことと、何より離れて暮らす選択が私の方に全くなくて。

「部屋借りた。明日の夜荷物運ぶから纏めといて」

の言葉ひとつで、私ごと新居に運ばれて。
とりあえず荷解きをしつつ話し合った結果、一年ほど家計と生活を共にしてみて、問題がなければ入籍しましょうと事実婚がスタートした。

それから二十年、雨の日も風の日も日日是好日。
何気ない暮らしの中にささやかな幸せを見つけられる、紗和家の日常を綴っていきたいと思います。