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「ごきげんよう新入生の皆様、ワタクシはここ王立エリス魔法学園の生徒会長で3年生のマリア=ブルーノですわ!私が留年しない限りは一年間を共に過ごす事になるので宜しくお願いしますわね?」
体育館のステージの上でそう宣言するマリアの姿にソフィーはねえミユキさん!と、ついさっき友達になった黒髪の女生徒と振り返ると何よ一体・・・?と返事を返しながら驚いた顔になる。
「今立っている綺麗な人が私に道案内してくれたんだよっ?」
「あの人が!?ふ~ん・・・意外と聞いていた噂よりも良い人なんだね・・・」
そう言いながら思案顔で腕を組みだす彼女にソフィーはどう言う事ミユキさんっ?と首を傾げるとミユキからねえちょっと良い・・・?と小さく尋ねられると恥ずかしそうにモジモジとしだす・・・
「確かに私から友達になってくれとは言ったけど急に名前呼びは慣れて無いから恥ずかしいって言うか・・・って別に良いんだよミユキって呼んでも!?」
「名前呼びって・・・さっきシジュウイン=ミユキって言ったよね?だから苗字で呼んでたんだけどっ・・・」
んっ?と首傾るソフィーにああそっか・・・と手をポンと叩いたミユキがゴメンゴメンと謝りながらクスクスと微笑みだす。
「こっちの国じゃ名字と名前を入れ替えるんだったんだんだよね?だから私の名前はミユキだけど・・・さん付けは要らないから!」
「じゃあ私の事もソフィーって呼んで下さいっ♪」
小さい声でお互い改めて自己紹介を終えるとそれでさっきの話だけど・・・とミユキがソフィーの傍で耳打ちしながら顔を寄せて来る。
「あの生徒会長の親がこの国と同盟を結んでいる所の偉い人みたいで随分と強引なやり方でこの学園で改革を行ってるって噂なんだ・・・まあそのお陰で私も東の国から交換留学生ってここまで来れたんだけどね?」
「ちょっと待ってっ・・・さっきから変だなとは思ってたけどっミユキって別の国から来た人なのっ!?」
一応入学式の途中なので小さい声でソフィーは驚くと見たら分かるじゃない・・・とミユキが自分の黒い髪を指差していると、ここで新入生代表から挨拶が有ります。と最後に差し掛かったのか司会役の生徒会役員からそう声が上がると生徒会長のマリアがフフッと微笑みだす。
「それでは壇上へどうぞ・・・新入生代表ミユキ=シジュウインさん?」
名前を呼ばれたミユキが嫌だなぁ・・・と溜息をつきだすとキョトンした顔のまま固まっているソフィーに何その顔は?と指先でコツっと額を突き出す。
「じゃあちょっと言って来るからさ・・・?」
痛いじゃないっ!と抗議の声を上げるソフィーにミユキがそう言いながら面倒臭そうに手をヒラヒラさせて壇上へと向かって行くと、ミユキが主席なんだだっ・・・とソフィーは驚きながらその背中を見送っているとどこからかアレが噂の留学生・・・?とヒソヒソと声が聞こえて来る・・・
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