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結構大胆に進めて行く。そんな印象だった。 美容院って髪を一つ一つもっと丁寧にやるのかと思ってたけど、それはテレビの見すぎかな? 俺の横には髪の束が落ちていく。 伊東さんは黙々と作業をしている。これも少しイメージと違う。もっと図々しい位話をふっかけてきたり、話を聞かれたりするもんだと思っていたけど。 そして伊東さんはクシで俺の髪を整えて頭の形を確認している。 「…普段はどこに行かれているんですか?」 ようやく伊東さんが口を開いた。 「…近くの理髪店に…。」 「あぁー、そうなんですね。人が変わると仕上がり変わっちゃいますよね。」 「…分かりますか?」 「うん、お兄さんの髪が長かったり揃ってたり、バラバラなんで。」 そう言いながら鏡腰に目線が合う。伊東さんはにこりと笑う。その顔は何だか思ったより無垢で、年齢や雰囲気から綺麗というのが似合うのに、突然の可愛さという感じだ。 俺の髪がある程度落ちると今度はハサミを入れていく。しなやかな手先。でもやっぱり年上だ。細身もあるけど手の血管や骨はしっかりと見える。 そして俺の髪も春夏に向けての髪型へ変わっていく。
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