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「お兄さん、眉毛剃ります?」
「眉毛…ですか?」
「はい、別に1200円かかるんですけど。」
高い!
それが金額を聞いた素直な印象だ。しかし何故か今は強く言えない。そして
「お願いします。」
と口は動いていた。
「お兄さん、働いてるんですか?」
「いえ、学生です。近くの大学生。」
「あぁ、頭いいじゃないですか。国立ですよね?」
伊東さんは少し驚いていた。俺は良く老けて見られるからもしかしたら歳が近いと思ったのかもしれない。
伊東さんが近くにいると独特のワックスか香水かの匂いがする。甘い独特の香り。多分女性特有の匂いと混ざって何だか妙に脈が早く打つ。
伊東さんは真剣に俺の眉を触れる。
そしてあまりよく分からん変化に1200円を払ったと思った。
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