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その後俺はシャンプーへ。
また別の若い女の子だ。
「…お湯の温度…いかがですか?」
「大丈夫です。」
伊東さんに比べて高い声。アニメ声か。しかし緊張してるのか声は途切れながらだし小さい。
そしてシャンプーを終えて俺は席へ。
「お兄さん、ワックスとか使います?」
「…いえ、大丈夫です。」
「本当ですか?…またこの髪型だと似合うものありますので使って下さいね。」
伊東さんは笑顔をまた見せた。そして俺の髪を乾かしていく。
「…お疲れ様でした。」
「お疲れ様でした。」
俺は荷物を持ってお会計へ。
「それじゃ、友達紹介と、初回という事で割引かせていただきまして3300円です。」
俺はレジの支払いを済ませる。その間伊東さんは出入口の所に立っていた。
これは今までの理髪店には無い。
美容院はここまでするのかと思う反面、カットとシャンプーと受付と外観と、それらの費用がやはりかさむものだと思っていた。
「それじゃありがとうございました。」
伊東さんはお辞儀をしながら扉を開けた。その横を通り過ぎる。
やはり伊東さんは背が高い。視線が俺とほぼ同じだ。そして目が近くに。黄土色の瞳はカラーコンタクトだろうか?そんな情報を集めている間に伊東さんは再び笑顔に。
俺はそそくさと扉を離れた。
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