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「いらっしゃいませ!」 また可愛い女の子が受付をしている。この女の子達は美容師を目指しているのか?それとも可愛いバイトの子なのだろうか? そんな事を考えながら受付を済ませていく。 そしてまた沢山の鏡の間を抜けて指定された席に座る。そしてまたよく分からん雑誌と、QRコードも増えた。スマホでヘアカタログが見れるらしいが…全く興味が湧かない。 また店内を鏡を通して見る。 ホームページで見たような、見てないような、色んなスタッフが居るが、癖の強いカラーリングをしている人か、若い人が多いイメージだ。 下手したら専門学校とか出て歳下かもしれない。 そんな視線が動いていると鏡の端に見覚えのある背の高い女性が。伊東さんだ。 「お久しぶりです。よろしくお願いします。」 また少しハスキーな声で挨拶。 「お願いします。」 俺は小さな声で返事をした。 伊東さんはカルテを片手に俺の髪を確認を始めた。 「この間から2ヶ月経ってるんですね。どうでした?前の髪?」 「…好評…でした。」 「良かったです!」 伊東さんは俺の拙い反応にもちゃんと返してくれる。 「じゃあ…この間と同じ長さで耳を出しましょうか?」 あぁ、多分この髪の長さを決めるための会話だったのか。 そう分かっていながら、さっきの反応がなんだか嬉しい。 やめろよ、そんなのビジネストークに決まっているのに。 俺は一人で心の中で理性と感情で話をしていた。
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