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伊東さんは俺の髪を整えていく。
「お兄さん、一人暮らしですか?」
「はい。」
「えぇー、凄いじゃないですか!自炊とか家事とか大変じゃないですか?」
「まぁ、そこそこ慣れています。でも洗濯物とかは溜めて2日分とかしちゃいます。」
「あー、めっちゃ分かります!私も干した服そのまま使う時あります!」
伊東さんは笑いながら答えてくれた。
笑ってくれた伊東さんに俺も自然と笑みが零れていた。
「じゃあシャンプーにいきますね!」
伊東さんはそう言って違う担当と変わる。シャンプーはまた若い子だ。と言ってもこの子の方が俺と歳が近いに違いない。
その子とのシャンプーこそ業務連絡。
その間にふとさっきの会話を思い出す。
自分からプライベートな話をした事はあまりない。
特に女性には。
まして関わりの薄い人など。
会ってまだ2回目。
でもそんな話をしたのは聞かれたから?
それとも自分をさらけ出してみたいと思ったから?
数分前の真意は自分ですら分からなかった。
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