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オレンジの屋根。
白い壁。
南欧風というのだろうか?
いつも行く、コンビニの様な外観じゃなくて、
建物も広くて小洒落ている。
こういった建物の費用の建設から維持費も
お客の支払うその代金で賄われている。
だからやはり、あまり高い代金には
価値を見出す事は出来ない気がする。
「10時に予約した者です。」
「はい、…新規様ですね、こちらの来店カードの記入をお願いしますね。」
受付の女性。同い年くらいだろうか?
目元も口元もしっかりとお化粧をしてる。
最近のアイドルみたいな顔立ちで
髪も一つ結びをしてウェーブがかかっている。
可愛い。
多分学校に居たら人気だし、
彼氏がいつでもいるタイプだ。
そんな彼女はすぐさま別のスタッフと打ち合わせ。
もう一人は金髪のショートヘア。
気は強そうだが、アニメキャラ的な要素も多くて彼女もまた人気者そうだ。
俺はカードを記入しながら店内を見渡す。
明るく光るライト、そこには木々で装飾され、棚にはわざわざ全ての表紙が見えるように並べられた雑誌。
スタッフも綺麗を意識をしている。
確かにいつも行く理髪店とは違った空気が、店員や客層からも感じられる。
でもその違和感や緊張感は俺にとっては不快感に近い。
早く終えて家に帰りたい。
そんな気持ちを抱いたまま、俺はまた先程の女性スタッフに案内されて席へ。
そしてまた入れ替わるように次のスタッフがやってきた。
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